【雑記】ゲームの「勝てなさ」に立ち向かう
■ゲームへの取り組み方
私は比較的、真剣にゲームに取り組みます。
学生時代ポケモンをやっていた時、使用率1%以下の所謂「マイナーポケモン」を独自の努力値・技構成で育成しそれらで対戦する同級生たちを尻目に、自分は所謂ガチパのバンギガブグロスをメインで使用しました。
もちろん、本気で勝つためのマイナーポケモンでのオリジナル構成なら問題ないですが、そうではなくどこまでガチめに寄せるか、その自分の調整具合で勝ち負けが決まる勝負には熱くなれませんでした(より弱いポケモンを使った方が良い、というような逆オークションのような空気もあり、それも嫌でした)。ガチパ以外にも同級生たちと対戦するためにそういうポケモンに育成しましたが、勝っても負けても感情の動きは少なかったです。お互い本気で勝ちに行って、その上で勝てるから嬉しいし、負けるから悔しいんだろうと思っていました。
だから、ポケモンも、中学生の時やった遊戯王も、同級生の中では一番勝てました。
しかし、インターネットで対戦するとなると、上には上がいます。仲間内では一番だった自分も、インターネットに接続すれば数多くいる中間層の一部。「飽きてすぐ辞めた人よりは上手いが、真面目に取り組んでる人の中では下層」。どのゲームでもそのぐらいの立ち位置に落ち着きました。
■アグリコラで勝てなくなった
アグリコラで勝てなくなりました。
昨年の5グリでの勝率(1位率)は44戦中15戦で34%。5人戦なのでこの数字はまずまずの戦績だったが、もっと上手くなりたかったし、勝ちたかったです。
ところが、今年は、今のところの勝率は17戦中3戦で17%。昨年の半分の勝率。5人戦ならば平均して20%は勝てる理屈になります(実際は同着1位もあるのでもっと高い)。その数字にすら届いていません。
プレイしてる最中、昨年なら"このぐらいうまく行ってれば勝てる"という感覚だった試合も勝ちきれないことが多くなりました。これは周りが自分の成長速度を超えて上手くなって、追い抜かされたからでしょう。
■陳腐な挫折
対戦ゲームで挫折を味合わないのは世界最強の一人だけです。
その一人以外はいずれ「勝てなさ」と向き合うこととなります。
また、自分がリアルで会う範囲のコミュニティで完結していた時代と違って現在ではネット対戦があります。ネット対戦の場合は、レーティングやランキングが表示され自分の強さがより明確に可視化されます。
対戦ゲームをやる以上いつかは「勝てなさ」と向き合わなくてはいけないのです。
■対戦ゲームの「勝てなさ」への工夫
「勝てなさ」を経験したプレイヤーの大半はやがてプレイの頻度が減り、そのゲームを去っていきます。そうならない為の工夫が最近のゲームには見られます。
具体例としては以下の通りです。
・スプラトゥーンのようなチーム戦が前提のゲーム
スプラトゥーンは4対4のチーム戦で戦います。FPS、TPSでよくある個人で戦うデスマッチ戦は搭載されていません。チーム戦にする効果として、責任転換が可能になる、という点があります。仮に試合に負けたとしても、「味方が悪い」と自分を納得させることができます。
・PUBGのような超大人数のバトルロワイアル制
PUBGは100人で戦うバトルロイヤルゲームです。
その中で1位になれるのはもちろん一人です。つまり、負けるのが当たり前な(ことが可視化されている)対戦システムです。その分、勝てなくても挫折は薄いですし、勝った時の喜びは大きいです。
FPSだけではなく、テトリス99やパックマン99、スーパーマリオ35などといった変わり種も見られます。
・オートチェスのような運要素+多人数戦
オートチェスはカードゲームのようなロジカルゲームでありながら大人数(8人)で対戦します。また、麻雀のように運の要素も強めなので、タイマンのカードゲームと比べると負けた時にもショックを受けにくいです。
・インタラクションが薄まっている最近のボードゲーム(ソロプレイ感が強くなっている)
一昔前に比べ、最近のボードゲームはインタラクションが薄まっている作品が多いです。中にはほぼソロプレイのようなプレイ感覚のものもあります。その場合、対戦相手に勝てるか、というだけでなく前回の自分よりも得点が取れたかという尺度も生まれ挫折が先延ばしにできます。
■いつかは「勝てなくなる」のが当たり前
ゲームは楽しむためにやっています。
もちろん勝った時はより楽しいです。しかし、その反面、いつしか「勝てなさ」が顕在化し自分のプレーを減点方式で考え、楽しむことよりも苦しさを感じるようになります。
しかし、いつか「勝てなくなる」のは当たり前のことなのです。
「勝てなさ」に打ちひしがれそうになった時、「またその時が来たか」と割り切り、「ゲームは楽しむもの」という原点に立ち返ることが大切なのではないかと思います。
思えば学生時代、勝ち負けだけでなく、マイナーなポケモンをいかに使いこなすかという観点を持っていた友人たちは私よりゲームを楽しんでいたのかもしれません。
ただ、ずっと勝てない状態でそのゲームを続けていくのは苦しさが募るので、ゲーム側にも工夫が求められます。その結果、対戦相手の顔が見えず、より勝ち負けという結果がフォーカスされるオンライン(野良)対戦では上記の例のような工夫がなされているゲームが現在、流行しています。
またいつかはそのカウンターで純粋に1対1でハッキリ勝ち負けを付けるゲームが復権することがあるかもしれませんが、しばらくはこの傾向が続きそうです。
■おまけ:漫画の中で心に残っている「勝てなさ(才能)」との向き合い方
漫画の中でも「勝てなさ(才能)」との向き合い方は数多く描かれています。
読者のほとんどは勝つ側(漫画の主人公)ではなく、「勝てない側」であるので、それらは人々の心を強く打ちます。
私が好きな「勝てなさ」と向き合っている場面を4つ紹介いたします。
いずれの場面も、日常生活の中でふとした時に思い出す心に残っている場面です。
・「ピンポン」 アクマ
(尊敬する風間に認めてもらうためにスマイルに挑んだ結果、惨敗し)
オレは努力したよ!お前の10倍 100倍 いや1万倍努力したよ!
風間先輩に認められるために ペコに勝つために 一日中卓球のことだけ考えて
なのにどうしてお前なんだよ!? 一体どうして!!
・「ヒカルの碁」 奈瀬明日美
(プロ試験で格上の本田に勝利して)
自分でも大満足の一局よ!見てほしかったわ!
あんな碁が打てるからーーーーー
打てるから……プロになるのをいつまでもあきらめられないのよね
・「シャーマンキング」 麻倉幹久
(なぜそれほど強いのに大人は子供に希望を託すのかと聞かれ)
…………
僕らには見えてしまうんだよ
自分の天井が。
大人になるとある日ふと誰もが気付くんだ。
頭上にせまっている自分の限界とも言うべき天井の存在にね。
そしてそれは歳をとるにつれ近づいて、シミや、汚れがわかるほどますますハッキリとしてくる
・「スラムダンク」 田岡茂一
(土壇場で3Pシュートを決めたベンチメンバーのメガネ君に対して)
あいつも3年間がんばってきた男なんだ 侮ってはいけなかった