パーティゲーム「ジャスト・ワン」を"攻略"してみる
●タイトル:ジャスト・ワン
●デザイナー:ルードビック・ルーディ、ブルーノ・ソテール
●発売:2018年
■驚異の盛り上がり率「ジャスト・ワン」
皆さん、ワード連想系コミュニケーションゲーム「ジャスト・ワン」をプレイ経験はあるでしょうか。
2019年にドイツ年間ゲーム大賞一般部門(通称"赤ポーン")を受賞した名実ともに名作です。
「お題のキーワード」を連想させる1フレーズを被らない様に1つずつ出し合い、回答者に伝えるという協力ゲームなのですが、これほどまでにシンプルながらもボードゲーム初心者から熟練者まで凄まじい安定感で等しく盛り上がれます。
このルールのゲームが2018年まで発売されてなかったのが不思議なくらいで、これまでたまたま発見されていなかったクラシック的ゲームといった感じがします。
13問プレイし、最終スコアで評価されるというルールなのですが、大抵8~10問程度しか正解できません。しかし、先日6人プレイ(内3人は初プレイ)というメンツで12問正解することができました。
いつかはパーフェクトを出してみたいと思うのですが、そのためにも今回は「ジャスト・ワン」におけるいいヒント・回答する時の考え方について考え、攻略してみようと思います。
また、サブテーマとして「パーティゲームを攻略できるのか?」という実験的な試みでもあります。
■前提条件
・想定プレイ人数:4人以上(3人だと1人で2ヒント出せる特殊ルールがあるため)
・一緒に遊ぶメンツは初対面とする
・攻略は一緒に遊ぶメンツには共有されてないものとする
■ヒントの種類
私は「ジャスト・ワン」で出すヒントには大まかに4種類あると思います。
A:お題ワードを構成する要素やジャンルを書くヒント
B:ヒントワードの具体例を書くヒント
C:お題ワードの前後に付くワードを書くヒント
D:お題ワードを強く連想させるワードを書くヒント
具体例を出して見てみましょう。
○お題「段ボール箱」
A→古紙、茶色、梱包、安価
○お題「ロボット」
A→ネジ、電気
C→掃除機、アニメ、三原則
○お題「オーストラリア」
A→国名
C→大陸
D→コアラ、カンガルー
○お題「飛行機」
A→エンジン
B→ボーイング
C→紙
D→空港
○お題「歴史」
A→科目
B→縄文時代、戦国時代
C→学者
D→きらきら武士
○お題「こしょう」
A→調味料
B→S&B
C→黒
D→マルコポーロの旅路
各ヒントの特性としては、
A→複数のヒントが組み合わさって初めてお題と繋がる。被る可能性は高いが、輪郭をとらえるようなヒントは思考のとっかかりになりやすく、腐りにくい。
B→(お題「ロボット」の時のように)たくさん種類がある場合は強い。
C→ミスリードを誘う危険性あり。回答者側がなんとなく絞れた後のワードがズバリ何かの決定打となる可能性あり。
D→ミスリードを誘う危険性はあるが他のヒントワードと並べた時独立性が出やすいためD分類のヒントであることは回答者に伝わりやすい。回答者に該当知識がないと意味不明になるが、知っていれば単体でもヒントにかなり近づける。
ヒントの際は、下記のように答えると伝わりやすい(良いヒントとなりやすい)のではないかと思います。
玄人が多く輪郭を捉えるようなヒントが出なさそうだと思ったらA。
お題の具体的な種類がたくさんありそうな場合B。
お題が抽象的なヒントだけでは絞りにくい場合はC。
お題と強く結びついているフレーズがある場合や、回答者と年齢など共通点が多く共通認識を持ってそうだと思った場合はマニアックなD。
個人的な優先順位的には、D>B>A>Cです。
Aのヒントは1つは必要なのですが、被りやすくもなるので他の人に期待したいところです。Bで具体例が並ぶパターンはほぼほぼ正解してもらえます(Bで行けるパターンのお題はラッキー問題です)。Cは使い方を見極めなければ逆効果になる難しいヒントです。Dは1つのヒントとして持つパワーが他よりも大きいので、他のヒントが被って消えても正解まで持ってける可能性があります。
■回答のコツ
回答するときに必要な心得以下のようなところでしょうか。
1、出ているヒントの共通点を考える。
2、出てるヒントに対し、上記A~Dのヒントである可能性を考える。(特にパッと見でミスリードしやすいC)
3、ヒントを出している側の知識が間違っている可能性も考慮する。(~というヒントが出てるから~は絶対ないな、という考え方をしない)
後は少しズルいですが、お題が決定したときの皆のリアクションも少しヒントとなるでしょう。
■難問へのメタ
ジャスト・ワンには明確な難問がいくつか存在します。
攻略としてそのフレーズに対して予習しておくことも有効です。
ヒントを出す側として知識を持っているとより正確なヒントを出せますし、なにより回答側に回った時に「そういうフレーズがあること」を知っているのは正解に大きく近づけます。
ただし、これは"パーティゲーム"に対してやる行為としてかなりグレーゾーンです。
下手すれば周りのプレイヤーを萎えさせる可能性もあります。
ちなみに、個人的なジャスト・ワンを代表する難問は「北極」と「南極」だと思います。
ヒントの被りやすいですし、「北極」「南極」がごっちゃになって間違って出されることも多いです。
難しく悩ましいながら、良問であるとも思います。
■おわりに
ジャスト・ワンはパーティゲームですが、プレイヤーみんなでパーフェクトを目指しながら遊ぶと同じく協力ゲーのHANABIを遊んでいるときのような緊張感が生まれ、ゲームとしてとても楽しめます。
「10問連続正解で来てるのに、パッと見で回答が思いつかない…!」なんて時は脳が興奮して頭のぐるんぐるん回ります。
当たり前ですがパーティゲームであっても自分でより良いプレイを目指して頭を使うことが楽しむコツなのだと思います。
ただ、「難問を予習」など線引きを間違えるとゲームの楽しさを損なうことにも繋がる気がします。
話は逸れますが、ボードゲームを攻略することによる陳腐化に関してもいつか記事にしたいと思っています。
それでは、皆さんもジャスト・ワンで13問正解を目指しましょう!