デジタルボードゲームのススメ(=逆説的アナログボードゲームのススメ)
■ はじめに
度々話題にしますが、私は「リプレイ派」です。
同じタイトルを何度も何度も遊びたいのですが、時間やメンツを集めることを考えるとアナログで遊ぶのには限界があります。
そこで自宅に居ながらボードゲームが楽しめる「デジタルボードゲーム」の魅力やおすすめのタイトルに関して記事にしたいと思います。
一番遊んでいるデジタルボードゲームである「Agricola」(iOS、旧版)のメリットを対面でのアグリコラとの差で考えてみます。
■デジタルボードゲームのメリット
・処理ミスがない
アナログボードゲームですと資源や食料の支払いはもちろん自分で処理します。
うっかりミスがないとは言い切れないですし、ちゃんと処理出来てるかはプレイヤー間の信頼で成り立っています。
デジタルは自動処理のため基本的に間違いはないです。(万が一バグがあった場合も不満はアプリの方へ向きます。)
・ルールの統一性が高く、ルールミスがない
例えば、アグリコラ1つとっても、様々なルールがあります。
職業・小進歩カードはランダム配りなのか、ドラフトなのか、10-3なのか、使用するデッキはどれにするのか、リバイズドだと「羊飯・子供が欲しい」アクションを入れるのか、「毒見役」の支払いは1飯なのか2飯なのか、などなどローカルによってさまざまです。
デジタルですと、ある程度ルールのカスタマイズはできますが、統一性は高いです。
また、ルールミスもありません。
・効果、処理の解釈で揉めない
「ルールの統一性が高い」と近いですが、アグリコラのようなテキスト依存のカードを使ったゲームでは、効果の解釈(特にコンボした場合)が複数取れる事がよくあります。デジタルの場合、自動処理に任せるしかないのでそこで揉めることはありません。
・相手の状況を資源の具体的な個数までばっちり把握できる
アグリコラは他の人の「資源数」や「柵状況」、「改築状況」などが自分のプレイに大きく影響します。5人で遊んでいる場合、なかなか一目で全員の状況を把握することは難しいですし、資源数までとなるとなかなか時間がかかります。
デジタルの場合は数字で表示されるので、より簡単に把握することができます。
・通算集計が容易
点数や盤面、ドラフト時の記録などスクショで一発ですので、集計が容易です。
・COM戦で遊べる
デジタルボードゲームは大抵COM戦で遊ぶことができるので、一人でゲームへの理解を深めたい時、他人を気にせずプレイできます。
・リプレイが比較的容易
メンツ集め、準備、片付けの手間がなく、野良戦ができるぐらい賑わっているタイトルですとすぐに遊ぶことができます。
また、外に出ることなく家から遊べます。
・持ち時間が決まっている
アナログボードゲームで持ち時間を厳密に設定して遊んでいるプレイヤーは少ないかと思います。
デジタルボードゲームの場合大抵持ち時間が設定できるので、公平感があります。
上記の通り、デジタルボードゲームではアナログボードゲームよりもよりストイックにゲームを楽しむことができます。
では、今度は対面(アナログ)での魅力を考えてみましょう。
■対面でのアナログボードゲームの魅力
・カードやコマの手触りを楽しめる
ネットゲームで麻雀を覚えた時、面白くて毎日のようにプレイしました。
そこからしばらくして、リアルの麻雀に誘われて初めて卓を囲んだ時、「実際に牌を触ることがこんなにも快感だなんて」と驚きました。
その時と同じように、アナログボードゲームの魅力にカードや木駒の手触り、さらには手を動かすことの快感があると思います。
・増員レディ、改築レディを口頭で確認できる
アグリコラなどのワーカープレイスメントでは、どのプレイヤーが「〇〇レディ状態」(次のターン〇〇アクションを踏めるか)かが重要になってきます。
デジタルボードゲームの場合は一人ひとり自分で確認する必要がありますが、アナログだと口頭で聞くことができます。
・ブラフ、誘導などリアルならではの駆け引き
賛否はあるかと思いますが、親しい間柄でブラフ(口プレイ)や誘導などはデジタルではなく対面ならではの要素です。
・対面に人が居るから楽しい
そして、何よりですが実際に人と顔を突き合わせながら卓を囲むのはデジタルでは再現不可能で、人間の根源的なコミュニケーション欲求を刺激されます。
コロナ禍での生活で実感された方も多いと思いますが、「リモート飲み会」が一時の流行りに留まって定番化していないのは何故なのでしょうか。やはり、人間は対面することに楽しさを見出す(人が多い)からでしょう。
■おわりに(逆説的アナログボードゲームのススメ)
デジタルボードゲームの魅力を羅列すると、アナログボードゲームよりも快適・便利でゲーム本来の楽しさを引き出すポテンシャルがあると思います。
逆に、アナログボードゲームは不安定でムラがあり、時には勘違いでゲームが成立しないこともあります。
しかし、そうやってデジタルボードゲームの良さを知れば知るほど、「では、なぜ私たちはわざわざ会ってボードゲーム"せずにはいられない"のか?」という疑問が湧いてきて、逆説的に「会ってプレイするアナログボードゲームのデジタルボードゲームでは再現し難い魅力」を実感することとなります。
私たちは便利で快適なデジタルボードゲームの環境があるのにも関わらず、「人と会ってゲームがしたい!」と衝動的に思ってしまうのです。そう思わせる何かが、「対面でのアナログボードゲーム」には宿っています。
個人的には、デジタルボードゲームも大好きなので、これからもどちらも楽しみたいです。